当院で行える予防接種(ワクチン接種)

ワクチン接種をご希望の方は、事前にお電話で在庫の確認およびご予約をお願いします。自治体からワクチン接種の案内があった方は、予診票をお持ちください。

予防接種・ワクチン接種を行うメリット

予防接種

予防接種とは、病気の原因となる細菌やウイルスから作られたワクチンを接種することです。予防接種には、その病気にかかりにくくする効果があります。また、仮にその病気にかかったとしても、重症化を予防する効果があります。ワクチンを打つメリットは、自身の安全を確保できるだけではありません。周囲の大切な人へ病気をうつしにくくなる効果も期待できます。

インフルエンザワクチンとは 

多くの場合、インフルエンザは自然に治癒します。しかし、肺炎などの合併症を起こして重症化することがあります。特に重症化のリスクが高いのは、①65歳以上の方、②心臓・肺・腎臓に病気をお持ちの方です。
ワクチンを打つことで、インフルエンザの感染を防ぐことができます。仮に感染してしまったとしても、重症化を予防する効果が期待できます。重症化リスクの高い①65歳以上の方、②心臓・肺・腎臓に病気をお持ちの方は、積極的な予防接種をご検討ください。
インフルエンザワクチンは効果が現れるまで接種から2週間程度かかります。またその効果は約5ヶ月間持続します。日本の場合、インフルエンザの流行時期は12月下旬から3月上旬が中心ですので、12月上旬までに接種を完了できると良いでしょう。
市川市では、満65歳以上の方を対象にインフルエンザ予防接種事業が毎年10月1日から翌年1月31日まで実施されています。対象となる方は費用の一部が助成されます。詳細については、市川市の公式ホームページをご参照ください。

肺炎球菌ワクチンとは

肺炎は日本人の死因の第5位です。肺炎の原因で最も多いのが、肺炎球菌という細菌です。肺炎球菌ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎を予防することができます。
肺炎球菌ワクチンには2種類あります。1つ目は、13種類の肺炎球菌に対する免疫をつけることができる「プレベナー®」です。2つ目は、23種類の肺炎球菌に対する免疫をつけられる「ニューモバックス®」です。13価のプレベナー®と23価のニューモバックス®ではカバーしている肺炎球菌が異なります。13価と23価、両方のワクチンを接種することで、より多くの種類の肺炎球菌への免疫をつけることができます。そのため、両方のワクチンを接種することをおすすめしています。
しかし、どのタイミングでどちらのワクチンを接種するのが良いかは、難しい問題です。23価肺炎球菌ワクチンであるニューモバックス®を接種したことがない65歳以上の方は、自治体から助成を受けられる可能性があります(詳細については、市川市の公式ホームページをご参照ください)。その一方で23価肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス®)を接種後は1年間、13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー®)を接種後は6か月間、別の肺炎球菌ワクチンの接種ができません。肺炎球菌ワクチンの接種に当たり、個々の患者さんにとって最もよい接種プランを検討する必要があります。当院では、個別の事情を勘案して、最適なプランを提案いたします。

新型コロナウイルス感染症ワクチン

新型コロナウイルス感染症のワクチンのうち、日本で広く使用されているのはファイザー製(コミナティ®)とモデルナ製(スパイクバックス®)の2種類です。これらのワクチンは、新型コロナウイルスの遺伝子を模倣して作られました。双方のワクチンとも、感染予防効果や重症化予防効果が証明されています。流行しているウイルス株・接種回数・接種後の期間などにより異なるもの、ご高齢の方・基礎疾患をお持ちの方でワクチンの有効性が特に期待できます。

健康診断とは

健康診断

健康診断とは、健康の維持や病気の予防・早期発見に役立てるために、診察や検査を行うことです。当院で行える健康診断は下記のとおりです。

市川市の健診・検診

※ 詳細については市川市の公式ホームページをご参照ください。
当院で行うことができる健診・検診は、①特定健康診査(健康診査)、②肺がん検診、③大腸がん検診です。健診時には、受診券、健康保険証(生活保護を受給中の方は保護受給証明書)、一部自己負担金、健康手帳(お持ちの方のみ)をお持ちください。

特定健康診査(健康診査)

特定健康診査は、メタボリックシンドロームに着目した健診です。メタボリックシンドロームとは、内臓肥満の蓄積に加え、血圧高値・血糖高値・脂質代謝異常が組み合わさった病気です。動脈硬化のリスクが高く、心臓病や脳血管障害を起こしやすいことが分かっています。この健診で早期にメタボリックシンドロームを発見することで、高血圧・糖尿病・脂質異常症・心臓病や脳血管障害の発症・重症化を防ぐことを目指しています。
特定健康診査の主な対象は、40歳~74歳の国民健康保険被保険者、75歳以上の後期高齢者医療保険被保険者です。当院へ定期通院中の方も受診できます。この健診を受ける際は、診察の10時間前からは、水以外の飲食を避けてください。

特定健康診査の内容
  • 問診、診察
  • 身体計測(身長、体重、BMI(Body Mass Index)、腹囲)
  • 血圧測定
  • 血液検査
    脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
    肝機能検査(AST、ALT、γ-GT)
    血糖検査(空腹時血糖、HbA1c検査、やむを得ない場合には随時血糖)
    腎機能検査(血清クレアチニン検査(eGFR))
    尿酸
    血清アルブミン
    貧血検査(赤血球数、血色素、ヘマトクリット値)
  • 尿検査(尿糖、尿蛋白、尿潜血)
  • 心電図検査

肺がん検診

40歳以上の方を対象に実施されます。肺がんの有無を調べるために、胸部レントゲン検査を施行します。妊娠中、またはその可能性がある方は行えません。また必要に応じて、痰にがん細胞がいないか確認する検査を行います。この検診には、600円の自己負担金がかかります。

大腸がん検診

40歳以上の方が対象です。大腸がんの有無を調べるために、便に血が混じっていないかを確認する検査(便潜血検査)を行います。2回の便を調べることで、大腸がんの検出率を向上させます。検査に使用するキットは、当院でお渡し可能です。この検診では、600円の自己負担金がかかります。

※がん検診を行うと、がんによる死亡が減少することが分かっています。しかし、がん検診で異常が見つからなくても、微小ながんが存在する可能性は否定できません。健診後に自覚症状が出た場合、結果に異常がなかったとしても医師の診察を受けましょう。また、本当はがんでなくても、検診の結果が陽性になってしまうこともあります。

雇入時健康診断(就職時に必要な健康診断)

就職時に必要な健康診断です。事業者の方は、常時使用する労働者を雇い入れる際、その労働者に対して、下記の項目の健康診断を行う必要があります(労働安全衛生規則第43条)。

雇入時健康診断に必要な項目

  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状、および他覚症状の有無の確認
  • 身体計測(身長・体重・腹囲)
  • 血圧測定
  • 視力検査
  • 聴力検査
  • 血液検査
    貧血検査(血色素量、赤血球数)
    肝機能検査(ALT、AST、γ-GT)
    血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)
    血糖検査(空腹時血糖、HbA1c)
  • 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
  • 胸部レントゲン検査
  • 心電図検査

定期健康診断(就職後、1年に1回は必要な健康診断)

企業で働いていている方が定期的に行う健康診断です。事業者の方は、常時使用する労働者に、下記の項目の健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。この健康診断は、定期的に年1回(深夜業などの場合は年2回)以上行う必要があります。

定期健康診断に必要な項目

  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状、および他覚症状の有無の確認
  • 身体計測(身長・体重・腹囲)
  • 血圧測定
  • 視力検査
  • 聴力検査
  • 血液検査
    貧血検査(血色素量、赤血球数)
    肝機能検査(ALT、AST、γ-GT)
    血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪)
    血糖検査(空腹時血糖、HbA1c)
    ・尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
  • 胸部レントゲン検査、および喀痰検査
  • 心電図検査

※身長・腹囲、血液検査(貧血、肝機能、血中脂質、血糖)、胸部レントゲン検査、喀痰検査、心電図については、医師が必要でないと認めた場合には、省略することができます。

自費健診

何らかの病気があり、その病気の診断や治療を行う場合は、健康保険が適用されます。特に病気を疑わせる症状がなく、自分の身体の状態を把握するために検査を希望される場合は、健康保険が適用されません。そのような場合の健康診断は自費になります。もし自費健診の結果、何らかの病気が発見された場合、その病気の診療には健康保険が使えます。
また、自治体が実施する健診とは異なり、あらかじめ決められた検査項目はありません。自らが受けたい項目を選択して受診することができます。検査可能な項目など詳細な内容については、個別にお問い合わせください。

当院で行える自費での健康診断の項目

  • 医師の診察、結果表
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 胸部レントゲン
  • 心電図
  • 心臓超音波検査(心エコー)
  • 腹部超音波検査(腹部エコー)
  • 頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)
  • 脈波
  • 血液検査では貧血の有無、血小板減少の有無、白血球数の増多の有無が分かります。また肝臓・腎臓の機能、糖尿病の有無、脂質異常症の有無、高尿酸血症の有無なども判定可能です。
  • 尿検査は、腎臓病や膀胱の病気を発見する契機になることがあります。
  • 胸部レントゲン検査は、心臓、大動脈瘤、肺の病気を発見するきっかけになります。
  • 心電図は、不整脈の他、狭心症心筋梗塞を発見する手がかりになることがあります。
  • 心臓超音波検査(心エコー)では、弁膜症の発見が可能です。狭心症・心筋梗塞、心不全が見つかるきっかけにもなります。
  • 腹部超音波検査(腹部エコー)では、大動脈瘤や大動脈解離、肝臓・胆嚢・膵臓の病気、腎臓や膀胱の病気のスクリーニングができます。
  • 頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)では、頸動脈の動脈硬化を発見できます。
  • 脈波では、上肢と下肢の血圧を測定することで、ABIやCAVIという指標を算出できます。その結果、動脈硬化の有無、血管年齢、下肢の血管の狭窄・閉塞の有無が分かります。